女子にもわかる自衛隊

営内ってどんなところ?

〝居住〟は自衛官の義務

仕事が終わって家に帰った彼と、電話をしたりビデオ通話をしたり、また休日には彼の家に遊びに行ったり……これは、一般的な恋人同士には何気ない日常ですが、自衛官の彼とはこの「何気ないこと」が難しくなります。というのも、自衛官の彼は「営内(えいない)」と呼ばれる場所に住んでいることが多いからです。
自衛官には、「指定場所に居住する義務」があります。詳しくは、自衛隊法の第五十五条に「自衛官は、防衛省令で定めるところに従い、防衛大臣が指定する場所に居住しなければならない」と定められています。これは、災害や有事といった「万が一」が起こったときに、すぐに対応できるようにするためです。

営内は少し変わったところ?

災害や有事といった「万が一」にすぐに対応するため、駐屯地・基地の中には「営内」という隊員のための居住区域があります。階級が曹・士の20代の独身自衛官は、基本的に全員この営内に住まなければなりません。既婚者や、階級が2曹以上かつ30歳以上の人、また階級が尉以上の幹部自衛官は、営内ではなく駐屯地・基地近隣に住めますが、一定期間の教育中は営内に住む場合もあります。
営内は、ざっくり言うと学校や会社の寮のようなものです。しかし、学校・会社の寮と比べると「少し変わったところ」があります。この「少し変わったところ」を知らないままだと、「なんでLINEの返信が遅いの?怪しい!」、「ビデオ通話ができないなんて、やましいことでもしてるの?」と不安になってしまいがちです。そこで、今回は営内がどんなところなのかをお話したいと思います。

営内には2つのタイプがあります

まず、営内のある場所。これは、先ほどもお話したように「駐屯地・基地の中」です。海上自衛隊の艦艇に勤務している場合は、護衛艦や輸送艦といった船の中に営内があります。
陸地(駐屯地・基地内)の営内には、2つのタイプがあります。ひとつは、隊舎(建物)まるごとが営内の場合。この営内専用の建物は「営内隊舎」と呼ばれています。もうひとつは、建物の下層階が事務所や倉庫といった仕事場、上層階が営内、というタイプ。階段やエレベーターを降りれば仕事場に着くので、通勤時間は数十秒となります。

営内では相部屋暮らし

営内には、ベッドとロッカーが置かれた部屋、トイレ・洗面室、シャワー室、洗濯室、乾燥室があります。ベッドとロッカーは一人ひとつずつ。一部屋は1~10人くらいで、教育中は大人数、部隊での勤務中は少人数の傾向にあります。
1人部屋が当たるのはまれで、通常は複数人。ですので、同部屋の人がいる中で「彼女と電話でおしゃべり」というのは気が引けます。ビデオ通話は言わずもがな。ということで、彼女との電話は、隊舎内や少し離れた人がいないところまで行ってから、ということがほとんどです。

コンビニ、そして居酒屋も完備!

大浴場、食堂は営内から少し離れたところにあり、決められた時間内に使用します。また駐屯地・基地内にはコンビニ、そして「隊員クラブ」という居酒屋のような場所もあります。営内では飲酒が禁止されているので、「仕事が終わってちょっと一杯」はわざわざ隊員クラブまで行かなければなりません。一般的な恋人同士だと、夜に缶ビールを飲みながらビデオ通話を……という人も多いと思うのですが、隊員クラブでは同僚や先輩後輩と顔を合わせることが多々あり、それも難しくなります。

返信しやすいタイミングはいつ?

駐屯地・基地での基本的な勤務時間は8:15~12:00、13:00~17:00です。24時間体制で監視任務などを行う部隊はシフト制での勤務になります。勤務時間ではないときを見計らってLINEを送ると、彼も読んで返信できるのですが、営内はさまざまな決め事がありいつでも返信できるとは限りません。
朝は点呼や掃除がありますし、勤務内容によっては早めに出勤して準備が必要なことがあります。夜もお風呂が使える時間は決まっていますし、迷彩服にアイロンを掛けたり靴磨きをしなければなりません。朝や夜にランニングや筋トレをすることもあります。朝昼晩の食事も、食堂を使える時間が決まっているので時間がタイトになってしまいます。

営内時間の感覚を掴みましょう

……と、営内の電話のしにくさ、返信の難しさをたくさんお話しましたが、もちろん全く無理なわけではありません。「LINEを送ったら、即返信して欲しい!」という人はストレスが溜まるかもしれませんが、合間合間で返信する時間はありますし、LINEで「何時頃なら電話できそうか」を聞いておけば、電話もできます。お付き合いを始めたばかりの頃は〝営内時間〟に少し戸惑うかもしれませんが、慣れていけばお互いに感覚もつかめるようになってきて、スムーズにコミュニケーションが取れるようになっていくでしょう。

営内を知ることで、安心感を!

慣れていけば、一般的な恋人同士と同じように電話をしたりビデオ通話を楽しめるようになりますが、「休日に彼の部屋に遊びに行く」は残念ながら叶いません。彼の生活している営内には他にもたくさんの人が生活しているからです。しかし、彼が住んでいる駐屯地・基地でイベントが行われるときは、彼にお願いをして営内を見学できる場合があります。とはいえ、これもコロナ禍の今はイベント自体が中止されていますし、今後どうなるかは分かりませんが……。
私たちの生活を基準にしてしまうと、「返信する時間くらいあるはず」「電話する時間くらいあるはず」とついつい考えてしまいがち。ですが、「営内とはどんなところなのか」を知っておけばその不安は減り、それが彼のあなたへの安心感にもつながります。さまざまな制限のある営内ですが、電話やLINEのタイミングを気遣い合う中で、お互いを思いやる気持ちが育まれていくメリットもあります。
「営内がどんなところなのか」は、駐屯地・基地、そして部隊によって少しずつ違いがありますので、実際に彼に聞いて「どんな営内なのか」トークも楽しんでみてくださいね!

関連記事
目指せ「脱・営内!」……自衛官は結婚が早い?!
自衛官はおうちデートが好き?!

ページ上部へ