女子にもわかる自衛隊

自衛官の転勤事情の本当のところ

自衛官の方との結婚を真剣に考えているなら、結婚をした後の生活を想像して、転勤の頻度や地域に不安を感じている方も多いことと思います。会社員や他の公務員の方と比べて、頻繁にあり、しかも全国に及ぶのではないかと不安材料になりやすいです。そこで今回は、本当のところの自衛官の転勤事情を詳しくお話してきます。

自衛官の転勤の一般情報

自衛官の転勤は一般的に数年に1回の頻度で行われます。転勤の頻度やタイミングは自衛隊の部隊や任務によって異なりますが、通常は毎年4月に異動があります。転勤には自衛隊内の異動や同じ部隊内での配置転換、または別の部隊への異動などがあります。また、自衛隊は地方にも多数の基地があるので、転勤先としては全国各地に配属されることがあります
転勤が決まった場合、自衛官は引っ越し費用や住居費の一部を支給されるほか、配偶者の就職支援や子供の学校の手続きなどもサポートされます。しかし、転勤によって家族や友人と離れることがあるため、自衛官とその家族にとっては大きな変化となることがあります。

自衛官の転勤の頻度とタイミング

自衛官には、新隊員教育期間があります。新たに自衛隊に入隊した自衛官は、新隊員教育期間(新隊)と呼ばれる訓練期間を経てから、所属する部隊に配属されます。新隊期間は約6か月で、この期間中に各自衛隊の訓練基地で基本的な戦闘訓練を受けます。それが終わると初期異動があります。これが自衛官が新隊を卒業した後の最初の異動となります。初期異動は、基本的には新人自衛官の配分調整や希望を考慮して1年程度で行われます。もし婚活のお相手が新卒でまだ入隊したばかりであれば、所属先が決まっていないということもありえるでしょう。
その後、正式に自衛官として任務がスタートすると通常異動が始まります。自衛官の通常異動は、一般的には2~3年を目処に繰り返しあります。各自衛隊の師団や旅団、連隊などの規模の大きな部隊間で行われます。異動先は、基本的には自衛官の職種や能力、希望に基づいて決定されます異動のタイミングは、通常毎年4月にあります。
それ以外では特別異動もあります。特別移動は、特別任務や緊急時の対応など、急な必要性に応じて行われます。特別移動は自衛官の希望や能力とは関係なく急遽異動先が決定されます。
以上が自衛官の一般的な異動や転勤の頻度やタイミングに関する情報ですが、実際の異動の仕組みやスケジュールは、部隊や職種によって異なります。

 

陸上自衛隊
陸上自衛隊では、各部隊によって転勤の頻度やタイミングが異なりますが基本的には2~3年ごとにあります。特殊作戦群やレンジャー部隊、空挺団などの特殊部隊は、その特殊性から異動間隔が長いことがあります。新隊員教育終了時に配属された部隊から異動することはほとんどありません。ただし、同じ部隊で駐屯地等が異なる場所への異動等についてはあります。

 

海上自衛隊
海上自衛隊でも陸上自衛隊同様、基本的には2~3年ごとに異動が行われることが多いです。海上自衛隊の場合は、転勤が船舶によって決まることが多いため、陸上自衛隊とは異なる異動の仕組みがあります。海上自衛隊では、艦艇ごとに配属された自衛官が乗り組み、航海や訓練、任務などを行います。そのため、自衛官は自身が配属された艦艇とともに転勤することが多く、異動のタイミングは、艦艇の運用スケジュールによって決まります。海上自衛隊では、陸上自衛隊同様に通常異動や特別異動があります。通常異動では、基本的には艦艇間での異動が行われますが、特別任務や緊急時の対応など、急な異動もあります。自衛官の配属艦艇に関係なく異動が決定されることも稀にあります。海上自衛隊では、異動のスケジュールや方法は艦艇や部隊によって異なります。隊員の母勤務地(例、大湊警備地区(大湊、八戸、下北観測所、函館、余市等))が指定され、幹部に昇任する等の重要な変化がない限り基本的には、その勤務地で定年まで勤務します。

 

航空自衛隊
基本的には2~3年ごとに異動が行われることが多いです。配属先が航空基地であり、異動先も航空基地間の異動が主です。異動のタイミングは、航空基地の運用スケジュールや必要性によって決まります。また、航空自衛隊でも、陸上自衛隊や海上自衛隊と同様に通常異動や特別異動があります。

これらはあくまでも一般的な傾向であり、実際には部署や職種によって異なる場合があります。また、特別な任務や状況によっては、予定された異動よりも早く異動することもあります。

 

自衛隊内の異動

自衛隊内での異動や配置転換は、基本的には自衛隊の人事制度に基づいて行われます。自衛隊の人事制度は、将校、准尉、下士官、自衛官の順に階級が定められ、異動や配置変更は、階級や人員配置に基づいて決定されます
自衛隊では、通常異動や特別異動といった異動の形態がありますが、ご説明しましたように通常異動は、基本的には2~3年ごとに行われます。自衛官が所属する部隊や配属された地域を変更する場合に行われます。特別異動は、災害派遣や国際平和協力、特殊任務など、緊急性が高い任務において、急遽異動が必要となった場合に行われます。それとは別に同じ部隊内での配置転換のようなものもあります。主に自衛官の専門分野や能力に基づいて決定されます。自衛官は、総合的な人材育成の一環として、自身の専門分野や能力を高めるための訓練や勉強を行い、部隊内での配置変更や昇進につながるよう努力します別の部隊への異動は、部隊の必要性や自衛官の能力、キャリアアップなど、様々な要因が考慮されます自衛官は、自身の能力や適性に合わせて、異動や配置変更を受け入れ、自己のキャリアアップにつなげることが求められます。このように異動や配置転換を経て、職歴や経験を積んでいきます。

地域の移動
自衛隊員が基地から別の地域の基地に異動する場合には転勤が発生します。転勤は、自衛隊員が所属する部隊の業務上の必要性に応じて、任期や配属地域が定められています転勤の手続きには、配属先の決定、引っ越しの手配、家族の支援などが含まれます
場合によっては海外に転勤になることもあります。特定の部隊は、ある程度の期間を限定して海外勤務にも就くことがあります。具体的には、陸上自衛隊では、北海道や東北地方、関東地方、近畿地方などに多くの基地があります。海上自衛隊では、主要な基地が横須賀や佐世保などの沿岸部にあります航空自衛隊でも、千歳や岐阜、三沢など全国各地に基地があります。ただし、これらはあくまでも一例であり、部隊の種類や任務によっては、他の地域に配置されることもあります。

引っ越しや転勤のサポート

このように転勤が頻繁にある自衛官の方ですが、各種のサポートが準備されています。

転居費用補助
自衛隊員が引越しに必要な費用の一部を補助します。具体的には、荷造りや運搬費用、解体費用、インターネット回線の新規設置費用などが対象となります。これらの費用は補助してもらえます。

住宅手当
引越し後に新しい住居を借りる場合、家賃や管理費を一定の範囲内で補助してもらえます。

家族引越し費用補助
自衛隊員の家族が引越しする場合にかかる費用の一部を補助してもらえます。

転勤先の情報提供
転勤先の地域情報や住居情報を提供してもらえたりすることもあります。

子育て支援
転勤によって新しい学校に通う場合、子供たちの就学手続きや学校選びのサポートがあります。

スポーツ・レジャー施設の利用
転勤先の基地周辺にあるスポーツ施設やレジャー施設の利用が優遇される場合もあります。

このように自衛官やその家族には手厚いサポートが準備されています。本人も家族はこれらのおかげでスムーズに引越しや転勤をすることができるのです。サポート内容や補助金額は部隊や任務によって異なるため、詳細は各自衛隊基地の担当窓口に確認する必要があります。

対策方法

自衛隊員の家族として、転勤の不安に対する対策方法できますのでなんら心配することはありません。

情報収集
転勤先の地域情報や住宅情報などを事前に収集し、転勤先での生活について把握することが大切です。自衛隊の担当窓口や同僚、転勤経験者などから情報を収集することができます。事前に自衛官の同僚などで新しい異動先にいる人がいれば、先に情報を収集しておきましょう。

ネットワーク作り
転勤先での生活がスムーズになるよう、転勤先でのネットワーク作りをすることが大切です。例えば、同僚や近隣住民との交流、PTA活動や地域のイベントに参加することなどが挙げられます。これらは移動後に仲間の協力を得ることもできるはずです。

家族でのコミュニケーション
転勤によって生活環境が変わることで、家族内での不安やストレスが生じる場合があります。家族でのコミュニケーションを密に行い、不安やストレスを共有することが大切です。家族で相談をして引越し後のことを話し合う機会を持ちましょう。

新しい趣味や活動の開始
転勤先での新しい趣味や活動を始めることで、新しい人脈や友人を作ることができます。また、新しい環境での新たな発見や経験も得ることができます。引越し後は、新しい仲間を積極的に作るように活動しましょう。自衛官の家族は異動が多いので、こういった環境にもそのうちになれてくることでしょう。

自衛官サポートを利用する
自衛隊には、転勤に伴う家族のサポート制度が用意されています。引っ越し費用の補助や住宅手当、転勤先での案内や調査などのサポートがあります。これらのサポートを利用することで、転勤の負担を軽減することができます。自衛官には手厚いサポートがあるので積極的に利用しましょう。

これらの方法を活用することで、家族としての転勤に伴う不安やストレスを軽減することができます。また、自衛隊の職員や同僚、転勤経験者からのアドバイスなどを得るもグッドアイデアです。積極的に情報収集やコミュニケーションを行うことが大切です。

まとめ

このように自衛官の方は、定期的に異動があるので転勤がつきものです。ですが今回ご説明しましたとおり、手厚いサポートがあるので、家族としてはそれほど心配がいらないことがおわかりいただけたことでしょう。それぞれの地域でのコミュニティーもあり、自衛官家族同士の強い結束もありますので、仲間も作りやすい環境が整っています。これから自衛官との方との結婚を真剣に考えている方は、今回ご紹介しました情報を参考に生活設計を立てていきましょう!

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